面会交流の心得

面会交流の心得

面会交流は、子どもの成長のために行うものです。
さまざまな経緯や事情があったことと思います。しかし、夫婦は別れても、子どもにとってはお母さんでありお父さんであることに変わりはありません。夫と妻という関係から、子どもの父と母という立場に気持ちを切り替え、子どものためにお互いが補い合い協力し合うことがとても重要です。
面会交流が最初はうまくいかないこともあるでしょう。順調にいかないこともあるかもしれません。でも、そのようなときにも子どもの幸せを考えながら、目の前の出来事に一喜一憂せずに、柔軟な態度でのぞんでいくことが大切です。
面会交流をしていくにあたり次のような行動は、両親の争いの間に置き続けることにもなり、とても苦しい気持ちにさせてしまうことがあります。

● 他方の親について、極端な意見を言ったり、決めつけをしてしまう。
● 他方の親のことをけなしたり非難したりするようなことを言ってしまう。
● 他方の親に対して、暴力的な態度をとったり、侮辱するような態度をとってしまう。
● 他方の親と子どもとの関係に介入したり、妨げようとしてしまう。
● 子どもの気持ちは自分の気持ちと当然同じであると考えて、一方的な言動をとってしまう。
● 面会交流で子どもが他方の親の家を訪問したときに、子どもにその家の様子を探る役割をとらせてしまう。
● 子どもに離婚又は別居の理由や養育費の支払に関する事情など、大人の事情を伝えてしまう。
● 子どもに他方の親との間の伝言役をさせてしまう。

親同士が、離れて暮らすことになったことで子どもは、子どもなりに不安やとまどいを感じたり、悲しく感じたりしています。そんな子どものために、親としてまずできることは、このような行動をとって子どもを親同士の争いの間に置くことがないように努めることです。

【子どもと離れて暮らしている方へ】

● 面会交流の日にちや時間、場所などは、子どもの体調、生活のペース、スケジュールに合わせましょう。
子どもの年齢、健康状態、学校、課外活動、習い事、友達との約束などのスケジュールを十分に考えて、子どもに無理のないような日にちや時間、場所、内容などを決め、子どもが喜んで会えるようにしましょう。

● あらかじめ決めている面会交流の約束事は守りましょう。
事前に取り決めている面会交流の決めごとは守りましょう。特に面会交流を終える時間や子どもを引き渡す場所などを相手に相談なく変えることは避けましょう。また、急な事情により、約束を守れないときには、すぐに連絡しましょう。

● 一緒に暮らしている親から、子どもが会いたくないと言っているとして相談を受けたときは、まずは親同士で冷静に話し合いましょう。
子どもが「会いたくない」と言うときは、子どもが面会交流に気が乗らなかったり、負担に感じたりしていることが少なくありません。面会交流のやり方に問題がなかったか、それまでの親同士の面会交流に対する態度も含めて振り返って考えてみましょう。
子どもの気持ちを尊重して、しばらくの間、直接会う方法から手紙などの間接的な方法に切り替えることが、良好な親子関係を築いていく上で望ましい場合もあります。まずは、親同士で冷静に話し合うことが大切です。

● 子どもがのびのびと過ごせるようにしましょう。
一緒に暮らしている親に対する悪口を聞かされたり、一緒に暮らしている親の様子をしつこく聞かれると、子どもの気持ちは重くなってしまいます。子どもが関心を持っていることや学校の行事、最近のうれしいニュースなど、子どもが生き生きと話せる話題を作り、あなたは聞き役に回りましょう。

● 高価な贈り物や行き過ぎたサービスなどは、やめましょう。
高価なプレゼントなどで子どもの関心を引きつけることは、子どもの健全な成長の面からも好ましくありません。
また、そもそもプレゼントを受け取ること自体、子どもを父母の間の板ばさみにさせてしまうことが少なくありませんので、一緒に暮らしている親に事前に話をすることなく子どもにプレゼントを渡すことは控えましょう。
● 一緒に暮らしている親に相談することなく、子どもと約束をすることはしないようにしましょう。

一緒に暮らしている親に相談することなく、「泊りがけで旅行に行こう。」などと子どもと約束すると、子どもに後ろめたい思いをさせたり、子どもを不安にさせたりします。また、親同士の新たな争いの原因になることもあります。
大切なことは親同士の話合いで決め、子どもに負担を感じさせないようにしましょう。

【子どもと一緒に暮らしている方へ】

● 子どもの様子を相手に伝えるようにしましょう。
子どもの健康状態や学校の行事予定、努力していることやその成果などは、離れて暮らしている親にとっても関心が高いことですから、できるだけ伝えるようにしましょう。伝えることで、離れて暮らしている親が子どもにうまく対応でき、子ども自身も、離れて暮らしている親にも大切に思われていると実感することができます。

● 過去の夫婦の争いや相手の悪口を子どもに言わないようにしましょう。
過去の夫婦の争いや離れて暮らしている親の悪口を聞くと、子どもは苦しい気持ちになります。子どもが離れて暮らしている親について良いイメージを持つことができるように配慮しましょう。

● 子どもが「会いたくない。」と言うときは、その理由をよく聞いてみましょう。
もし、子どもが面会交流に気が乗らなかったり、負担に感じているようであれば、それまでのお互いの面会交流に対する態度を振り返ってみましょう。そして、子どもの気持ちを聞いて、面会交流のやり方に問題があるようであれば、それを改めるように親同士で話合いをしましょう。
子どもの年齢や状況によっては、子どものことばをそのまま受けとめる必要がある場合もありますが、子どもが話した理由を口実にして面会交流を一方的にやめてしまうことは、新たな争いを生むだけでなく、子どもを、親同士の争いの間に置き、とても苦しい気持ちにさせてしまいますので、まずは、親同士で冷静に話し合うことが大切です。

● 子どもが面会交流に出かけるときは、笑顔で送り出しましょう。
子どもは、親の気持ちや表情に敏感です。あなたのちょっとした言葉や表情、しぐさから、離れて暮らしている親と会うことを後ろめたく思ったり、悪いことのように思ったりしてしまいます。子どもには、面会交流をすることは良いことだと思っていることを伝えておき、子どもが面会交流に出かけるときは、笑顔で送り出しましょう。

● 子どもが、帰ってきたら笑顔で温かく迎えてあげましょう。
子どもは、あなたに気をつかって、重たい気持ちで帰ってくるかもしれません。笑顔で温かく迎えてあげましょう。
また、面会中のことは、あまり細かく聞かないようにしましょう。子どもが離れて暮らしている親との時間を楽しく過ごしたことを認めてあげることで、子どもは両方の親から愛情を注がれていると感じることができます。

【参考】法務省/面会交流のリーフレットより抜粋
名古屋の面会交流サポートふぁみちぇんFamiliesChangeファミリーチェンジ離婚後の面会を両親が会うことなく円滑で安全に子供と面会してもらうためのシステムです。